艶消し・マット塗装のお手入れ・カーコーティング
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艶消し塗装・マット塗装のお手入れ
車の塗装は、ツヤツヤで輝きを放つ塗装が一般的ですが、最近よく目にする艶が無くしっとりとした、光を吸収してしまう塗装の車があります。
この塗装は、マットカラー・マット塗装(艶消し塗装)と言われる塗装で、あえて艶が出ないように、表面を凸凹させている塗装になります。
限定車やオプション設定でカラーを選択できる場合が多く、また、カーラッピングなどで艶消しカラーを楽しむ方もいますね。
まだまだ台数が少ないマット塗装ですが、スーパーカーや限定車で設定されている車種もありますのでこれからどんどん増えてくるでしょう。
車のボディの塗装だけでなく、アルミホイールや窓枠モールやフロントグリルの塗装にも使われることが多くなりました。
そんなマット塗装ですが、いざ手にしてみると格好いいだけではない悩みに直面することとなります。
それは所有しているオーナーが切実に感じる悩みになります。
どんなことなのでしょうか?
マット塗装の車を所有する方に、あるいはこれから所有しようと思っている方に読んでいただきたい話になります。
艶消し塗装・マット塗装は人気色
輸入車の中で代表的なメルセデスベンツやBMWでも、有償カラーの設定でマット塗装(マットカラー)を取り入れています。
主なカラーをピックアップすると、
セレナイトグレーマグノ ブリリアントブルーマグノ グラファイトグレーマグノ イリジウムシルバーマグノ などなど。 フローズン・ダーク・グレー フローズン・ブリリアント・ホワイト フローズン・カシミヤ・シルバー フローズン・アークティック・グレー フローズン・マリナ・ベイ・ブルー などなど。 スーパーカーのランボルギーニーはマットカラーが充実していて、 ビアンコ カノプス(Banco Canopusホワイト) ジアロ ホルス(Giallo Horusイエロー) マルーン アプス(Marrone Apusブラック) アランチオ アテナイウス(Arancio Anthaeusオレンジ) などなど。 これまでの塗装に比べ、マット塗装は、個性的なカラーなので特別な存在感を表現することができるカラーに感じます。 今から数年前の、まだ台数の少ない頃は、ツヤの無い塗装に違和感を覚えておりましたが、AMGやランボルギーニのマット塗装を目にする機会が増えると「マット塗装=高級・特別車」のように感じます。 人気のマット塗装ですが、マット塗装の車に乗るオーナーは乗り越えなければならない壁が一つだけあります。 所有した方が切実に感じる悩みになります。 それは「汚れがつきやすく、しかも落としにくい」ところ。 例えば・・ メルセデスベンツGクラスのヘッドライト周りの汚れ メルセデスベンツGクラスのフロントフェンダーエンブレム付近の水垢汚れ メルセデスベンツGクラスのリヤサイドガラス上部の縦シミ マット塗装は、塗装表面がザラザラしていて、凹凸があるのでどうしても汚れが詰まりやすいんです。大気中の砂埃や、大気中の排気ガスの塵などが凹凸の目の中に入り込んで取りにくいんですね。 しかも、手垢(油分)もつきやすく、ボンネットやドアを触ると指の跡がしっかり残ってしまいます。 マット塗装の車のオーナーは、マメに洗車ができる人でないと中々厳しい部分があります。 保管場所も屋根付き保管場所が望ましいでしょう。 屋外で保管されている方もいらっしゃいますが、マメに洗車される方でないと、綺麗な状態で維持するのは難しいのではないでしょうか。 「カバンで塗装に擦り傷がついちゃった」 「原因不明のシミや水アカスジが付いてるんだよ」 このような場合、一般的な塗装ですと、軽い水アカは通常の洗車で落とすこともできますし、傷や汚れの目立つ場合は、コンパウンド(研磨剤)を使って簡単に落とすことができます。 ドアハンドルの爪によるひっかき傷や、洗車で落とせなかった水アカなどはクロスにコンパウンドを付けてやさしく研磨するだけでアッと言う間に消すことができます。 ところが、マット塗装の場合はそうはいきません。 強い力で塗装面を擦って汚れを落とそうとすると、その部分だけ艶がでてしまい、塗装面にムラができてしまいます。 艶が出てしまうのは、マット塗装の凹凸が滑らかになってしまうため。 コンパウンドを使ったところだけ普通の塗装のようにツヤツヤになってしまいますので、傷を落とそうと思ってもコンパウンドが使えないのです。あの柔らかな薄っすらとしたやさしい輝きを維持するためには、塗装表面の凹凸が大切なのです。 弊店に持ち込まれた車で、こんな車もありました。 「朝、車に乗ろうと思ったらこんなシミができてたんです」 ビックリしますよね。 ご自身での対処では厳しいと思いますので、こんな時は早めに専門店のご相談されたほうが良いと思います。 こんな重症例もあります。 G63AMGの限定車なのですが、塗装表面がカサカサになってしまい、洗車ではどうにもならない状態。 アップで写真を撮ると、、 ここまでの状態ですと、コーティング専門店ではなく、鈑金屋さんの出番になります。 しかし、お客様もお困りですし、我々のようなコーティング専門店で対処できることとすれば、コーティング施工をするしかありません。 結果、ここまで何とかコンディションを上げることができました。 完璧な仕上がりではありません。でも、施工前のコンディションのままお乗りになるよりは良くなったと思います。 汚れが付きやすくて、落としにくく、コンパウンドが使えないのであれば、マメに洗車していくしかありませんね。 そしてこの洗車も、気を付けなければならないことがあります。 「洗車で落ちない汚れは無理に擦らない」 洗車をしていて、シミや鳥の糞を見つけた場合、ほとんどの方はその場で、指に力を入れて何回か擦って落とそうとしてしまいます。 ここは、ぐっとこらえて、擦らない勇気が必要です。 なぜなら、強く擦ることで、塗装表面の凹凸が滑らかになってしまい、強く擦った跡が残ってしまうのです。所々に指で強く擦った跡が残ってしまうのは避けたいですよね。 このようなときは一回で汚れを落とそうとするのではなく、汚れに合わせたケミカルで対処するしかありません。 ケミカルに関しては、ある程度知識が必要となりますので、ご自身でやる場合は注意が必要です。弊社のような専門店にご相談いただき、対処したほうが安全ですね。 通常の洗車で落ちない汚れには、汚れに合わせたケミカルを使うことで落とすことができます。 マット塗装はコンパウンドが使えないため、ケミカルを駆使して塗装表面から汚れを除去することが求められます。 少しだけお話しすると、 水(雨)シミがついてしまった場合は、弱酸性のケミカルで落とすことができます。ケミカルを使う前に、中性シャンプーで車を洗車したあとに弱酸性のケミカルで水シミやウロコを落としていきます。 ただし、注意が必要で、ガラスやメッキモールに直接かからないようにしてください。 酸性のケミカルはアルカリ性のものに強く反応しますので、ガラスやメッキモールを攻撃してしまいますのでお気をつけください。 我々のような専門店は、水シミ=酸性ケミカルで対処のような単純な発想でケミカルを使用しません。 塗装表面についているシミは、水のシミの場合もありますし、色々な汚れが重なってシミになっている場合もあります。 よくあるのが、 のような流れの場合、シミは普通の洗車で落ちませんし、シミ=酸性ケミカルの常識も通用しません。 まずシミの上の油分を除去してあげて、そのあとに酸性ケミカルを使うと落とすことができるのです。 油分の除去にはアルカリ性ケミカルが効果を発揮します。 のような流れで、シミを除去することができるのです。 やはりケミカルを使う場合は、ある程度知識が必要となりますので、事前に把握してから使用するか、専門店などに相談した上で使用するようにしましょう。 綺麗にするはずが、深刻なダメージを与えることになってしまう場合がありますので注意してください。 マット塗装は、汚れが付きやすく落としにくい塗装ですので、汚さないことが一番ですが、ふだん車を使っている以上はなかなか難しいので、予めコーティングしておくことをおすすめします。 コーティングすることで、塗装は保護され、汚れがつきにくく、落としやすくなります。 スッピンの塗装で汚れに立ち向かうよりは、コーティングという犠牲膜で覆われた塗装で戦う方が断然有利です。 マット塗装を保護するにはコーティングが有効でありますが、実は、マット塗装にコーティングすることは難しい作業なんです。 塗装表面が凹凸になっていることで、コーティング剤を均等に塗布することが難しく、また、コーティング剤によってはムラになりやすいのです。カッコいいけどマット塗装って大変
コンパウンドが使えない
凹凸があるおかげで、あの深みのある、しっとりとした艶がでるのに、凹凸をつぶしてしまうとたちまちギラギラした艶が出てしまいます。洗車で落ちない汚れは無理に擦らない
マット塗装の汚れ落としはケミカルが有効
↓
ワックスや撥水剤でシミを覆う
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再びシミがつく
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アルカリ性ケミカルで油分を除去
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酸性ケミカルでシミを除去マット塗装にはコーティングするのがおススメ
実はマット塗装のコーティングは難しい
最近メジャーになっている「硬化系コーティング」はまさにムラになりやすいコーティングの代表格です。
初期硬化が早い為に、液剤の均一化が難しく、万が一ムラになってしまったときのリカバリーが難しいのです。除去するためのコンパウンドが使えませんし、塗装の凹凸を埋めるレベルで厚塗りしてしまうとツヤに差が生まれてしまいます。
やはりマット塗装にはマット塗装専用のコーティング剤がおススメです。
自然なツヤで仕上がり、ムラになりにくいコーティング剤ですので、安心して施工することができます。
ご参考→マット塗装のSL63AMG、コーティング施工の紹介【千代田区】
ご参考→マット塗装のG63AMGにコーティング施工しました【昭島市】
ご参考→マット塗装のGLC220d 4MATICクーペにコーティング施工しました【世田谷区】
ご参考→部分ラッピングでイメージチェンジ!メルセデスベンツG63AMG
ご参考→セレナイトグレーマグノのCLS53AMG 塗装修理を承りました【目黒区】
仕上がりの正解は?
マット塗装にコーティングをすると言っても、果たしてコーティングしたあとの塗装面の正解はどのような状況のことを言うのでしょうか。
挙げてみました。
・シミが除去されマット感が強調された塗装
・色合いに深みが出る
・ムラのないコーティング
など
このような状態をゴールにして施工するのがマット塗装のコーティング施工になると考えています。
コンパウンドが使えないのであれば、汚れの種類に合わせたケミカルを使って、塗装下地をつくります。
艶が出てしまうと折角のマット塗装が台無しになりますので、コーティング剤の選択は重要です。
なかなかイメージできないと思いますが、例えばワックスなどの油分の強いもので施工するとツヤも出てしまいますし、恐らく大変なことになってしまいます。
(くれぐれも試さないようにしてください)
難しいマット塗装のコーティングは、コーティング専門店にお願いすするがいいと思います。ただ、難しいコーティングですので、コーティング専門店でも断られてしまうこともあるようですので、快く受けてくれる専門店(マット塗装に自信のある専門店)にお願いしましょう。
コーティングしていても油断は禁物
マット塗装に限らず、普通の塗装の車にも言えるのですが、コーティングをしたからと言ってノーメンテナンスではありません。コーティングの上にも普通に汚れがつきますし、放置することで汚れが固着してします。
マット塗装であればなおさら洗車頻度を多少上げてお手入れすることが望ましいです。
凹凸の塗装表面に入り込む汚れが多い為、マメに洗車して汚れを落としてあげる必要があるのです。
でも、コーティングしておけば汚れも落としやすく、洗車もラクになるでしょう。
まとめ
マット塗装は高級感も感じられますし、存在感も迫力もあります。これからますますマット塗装の車が増えると思いますが、そんなにビビらなくても大丈夫です。
手入れがしにくく、コーティングが難しい塗装ですが、だからこそ価値があると思いますし、しっかりメンテナンスすることで、他の車との差別化ができます。
マット塗装には、マメな洗車と汚れに合わせたケミカルを使用することで塗装表面を綺麗にすることができます。
汚れに無防備な塗装だけの状態ではなく、予めコーティングをして汚れをつきにくくし、洗車をしやすくしておきましょう。
そうすることでマット塗装の良さを長期間楽しむことができます。
弊店は、マット塗装専用のコーティングを施工します。そして、状況に合わせて1年ごとの施工をおススメしております。
よく、5年保証とか3年保証や、効果持続期間5年とかの商品がありますが、何を保証して、効果持続の基準は何なのか気になりますが、正直、定期的にメンテナンスをしなければどんなコーティングもそこまで効果が持続できるとは思いません。
コーティングをしたからと言って放置はダメです。定期的に汚れを除去し、汚れの固着を防いでいきましょう。
頑固な汚れにはケミカルが有効です。事前の予備知識を持って、上手にケミカルを使うことで汚れ落としが簡単にできます。ただ、ケミカルは塗装や樹脂パーツ、ガラスなどに悪影響を与える場合がありますので、ご自身で作業する場合は十分に注意をしてください。
お車の綺麗に関するお問い合わせはブランズまでお問い合わせください。
マット塗装のコーティングには自信があります。