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研磨ってどこまで磨くの?塗装とコーティングの基礎知識

 
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塗装の役割

ペイント

車のボディは、劣悪な外的環境からボディ表面を守らなければなりません。車を取り巻く過酷な環境は、紫外線、雨、風、砂、鳥糞・・と強敵揃いです。そのために車のボディには塗装が施されています。塗装にはボディを守るための役割と、美観の役割があります。

 

私たちブランズが提供するボディーコーティングは、その二つの役割を最大化するためのもので、これからお話しする塗装のことを少しでも知っていただけると、コーティングの重要性もわかっていただけるかと思います。

塗装の膜厚

塗装の厚みのことを「膜厚(まくあつ)」と言いますが、その膜厚は非常に薄く、「ミクロン」単位で表記されることが多いです。一般的な車の膜厚は、他のもので例えると髪の毛一本の太さくらいと言われています。

ほとんどの方が、「ミクロンって言われても、なかなか想像がつかないよ」と思っているのではないでしょうか。それもそのはずで、日常生活で使用する長さの単位としてはmm(ミリメートル)がギリギリで、それよりも短い単位はあまり使用しませんよね。

 

ミクロン!?

ところでミクロンってどんな長さでしょうか。㎛(マイクロメートル)と違うの??
1ミクロンは、1㎛(マイクロメートル)と同じ長さになります。

1ミクロン=1㎛(マイクロメートル)

では、身の回りのもので、ミクロンで表すとどんなものがあるでしょうか。

  • 髪の毛(直径):約50ミクロン~120ミクロン
  • コピー用紙:約70ミクロン~80ミクロン
  • スギ花粉:約30ミクロン
  • 黄砂:約4ミクロン

人間が目で見える大きさの限界は100ミクロンくらいと言われておりますので、髪の毛ぐらいがギリギリでしょうか。よく耳にする大気汚染のPM2.5は、直径が2.5ミクロン=2.5㎛以下の粒子状の物質を言います。実はタバコの煙もPM2.5の仲間で、1㎛以下の直径になります。

 

塗装の話に戻りますが、車の塗装の厚みは、メーカーにもよりますが、80ミクロンから200ミクロン程となります。

塗装の構造

塗装の基本構造

メーカーによって異なりますが、基本構造は次の4層になります。

電着塗装

鋼板で形成されたボディに最初に施されるのがカチオン電着塗装。目的は防錆で、ボディの隅々までしっかり防錆するために、塗料の入った大きなプールにくぐらせます。この時に電流を流して塗装と密着させます。

カチオン電着塗装・・マイナスの電荷を帯びたボディをプラスの電荷を帯びた塗料のプールに沈めて、プラスマイナスの電気結合で塗料を密着させる方法

 

中塗り塗膜

防錆の為の塗装の次は中塗り塗膜になります。中塗り塗膜は、粗い下地を整える為に塗ります。高級車は、この中塗りを何層にも重ねて、深みのあるクオリティの高い仕上がりにしています。

 

ベース塗膜

一般的にカラー塗装となりますが、メタリック塗装の場合は中塗り塗膜の上にアルミの細かな粒子(マイカ塗装の場合は雲母片)を含む塗料を塗ります。

 

クリア塗膜

発色やツヤを上げる役割と、塗料を保護する役割のクリア塗装になります。
最近ですと、日産の「スクラッチシールド」、トヨタの「セルフリストアリングコート」のような耐擦キズ塗料も普及しております。メルセデスベンツも対擦り傷、自己修復性能を持ったクリア塗料が採用されています。

 

メーカー、車種によって様々な塗装構造ですが、一般的な話をしますと、ボディ鋼板から何層もの塗装が重なっている構造になっています。そして、その膜厚が髪の毛一本の直径とほぼ同じの厚みしかないということです。コーティング施工は、髪の毛一本の厚みしかない塗装のうち、一番上にある「クリア塗装」の部分に対してのみ、手を施し、表面を整え、保護するための施工を行っているのです。

 

磨きってどこまで磨くの?

実際、コーティング施工をするときには、コーティング剤を密着させるために、塗装表面の下地を整えます。さらに新車以上の輝きを目指し、研磨をして磨き上げます。しっかり下地を整えた表面を、強固なコーティング剤で保護をするイメージになります。

 

研磨するところは塗装のクリア塗装部分になりますが、そもそも、我々が勝負できるクリア塗装は、いったいどれくらいの厚みなのでしょうか。

ボディ鋼板から上の部分(塗料)の厚みは次の通りです。

・塗装にコストをかけている車(高級車)の膜厚・・100ミクロン~200ミクロン

・一般的な塗装をされている車(普通車)の膜厚・・100ミクロン~130ミクロン

・軽自動車の膜厚・・80ミクロン~100ミクロン

およそこのような膜厚になるのですが、そのうち、クリア塗装部分に関しては次の通りです。

・塗装にコストをかけている車(高級車)のクリア塗装・・30ミクロン~40ミクロン

・一般的な塗装をされている車(普通車)のクリア塗装・・25ミクロン~35ミクロン

・軽自動車のクリア塗装・・20ミクロン~25ミクロン

メーカーによって様々でしょうが、クリア部分は30ミクロンくらいが平均値となります。30ミクロンというと、ちょうどスギ花粉くらいの大きさになります。改めてその薄さを感じますが、結局、磨ける可能範囲は、およそ30ミクロンまでとなります。

車によっては、過去に研磨を施工しており、クリア塗装が残り10ミクロンしかない場合もあるでしょうし、軽自動車に至っては、ガッツリ磨くと一気に膜厚が無くなることになります。通常、1回の研磨でおよそ2ミクロン程度削りますので、お車の耐用年数を考慮しても十分に研磨することが可能です。ただし、一般の方が、市販の粗目の研磨剤(コンパウンド)を布につけて力強く磨くと一気に5ミクロンから10ミクロンは削ってしまうことがありますので、注意が必要です。

深い傷を追いかけ、ゴシゴシしすぎると、艶が引けて白っぽくなってきます。このような状態になったら手遅れです。完全にクリアー塗膜を突き抜けて上塗り塗膜に到達している証拠となります。くれぐれもご注意ください。

匠の技

車を「磨く」ということは、目に見ている部分を施工するのではなく、目に見えないクリア塗膜の厚みを研磨していくことになります。

言いかえれば、髪の毛一本分の厚みをいかに残しながら塗装表面と向き合えるかが重要となります。車による個体差、メーカーによる塗装の硬い、やわらかいなどの特性も異なるため、最良の仕上がりは、研磨施工者の経験、知識、感覚、判断力によるものが大きく作用します。

具体的には、、、

・どの程度の力で研磨機を塗装面に当てるか、
・バフ(研磨機の先についている円盤状のもの)はどのようなものを使えば良いのか、
・研磨剤(コンパウンド)は何を使用したほうが良いのか、
・研磨機による熱を発生させないように塗装面との接触時間をどうするか、

などなど。

明確な決まりやマニュアルなどはありませんし、正解が一つでない場合もしばしば。
すべては施工者の技となります。時に、膜厚計(膜厚を測る機械)を使いながら、特殊な照明で塗装面を注意深く見ながらの作業によって、最良の仕上がりを求めていきます。

 

コーティング施工はどこも同じ!?

メルセデスベンツ

コーティング施工をお願いする窓口はたくさんあります。どこも似たような工程を踏んで仕上げているので、オーダーする側からしてみればどこも同じみたいに感じてしまうかも知れません。

結局のところ値段で決断したり、「近所だから」というような理由で決めていることが多いのではないでしょうか。しかし、ここまでお読みになった方でしたらもうお判りだと思うのですが、コーティング施工の仕上がりは、“施工する人間によって違う”ということです。

髪の毛一本分の厚みをどこまで残して、その車が元々持っている発色のポテンシャルを最大限にできるのか、を考えながら磨ける施工者にお願いするべきだと思います。

プロの上質な研磨作業によって整えられた塗装下地は、次に、しっかり保護するための「コーティング剤」を塗布して守ることが必要です。

コーテイング剤の役割

せっかく熟練の技で磨かれたきれいな塗装下地が、何も保護されていなければあっという間に過酷な環境(紫外線、雨、風、砂、鳥糞・・)に影響を受けることになるでしょう。

保護するためのコーティング剤を塗布したものの、数か月でバリアが解除されてしまえば、やはり同じ影響を受けることになります。コーティング剤に求められる役割は、主に二つあります。

・塗装表面を外部環境から長期間守る

・塗装の発色を引き出す

大切なお車の塗装は、いつまでも綺麗な色を放ち、艶やかな輝きを持続してもらいたいと思うのは、皆さん共通だと思います。

そのような想いに近づけることができる有効な手段として「コーティング剤」があるのです。では、もう少しその役割を見てみましょう。

塗装表面を外部環境から守る

車は様々なシーンで、過酷な環境に遭遇します。夏、木の下に駐車すれば樹液を浴びてベトベトになり、走行すれば渋滞に巻き込まれ、排ガスや、強い日光の紫外線を浴びます。たまに洗車をしようとガソリンスタンドに行って洗車機に入れ、拭き取りが面倒だからとそのまま走行して乾かしてみたり。

今の車の塗装技術は進歩している為、「心配ないんじゃない?」と思っている方。確かに進歩しています。しかしながら、コストカットに伴う塗装品質への影響も全く無いわけではありませんし、これまで見かけることのなかった、「キズを修復してしまう塗装」なんかも今は数多く世の中に出てきております。

果たして耐久性は?キズを修復する機能はいつまで持続されるの?と気にはなりますが、お車の使用条件、保管状況によって個体差があるため名言できないかと思います。

そこで、塗装の上にコーティング施工をしておけば、塗装への直接ダメージは軽減されます。傷を修復する機能に限りがあるのであれば、その機能を延命することも可能となりますし、樹液や泥汚れが直接塗装に触れることも防ぎます。

紫外線をカットするコーティング剤であれば、紫外線の影響を軽減できます。

塗装の発色を引き出す

発色の強さや輝きは、塗装面が滑らかで乱反射が生じないことが条件となります。

光の反射が整うことで人の目に色と輝きを認識させるのです。一方で、塗装面に輝きを発生させないことを目的とした「マットブラック(艶消しブラック)」は、塗装表面を凹凸にし、あえて乱反射を生じさせ、光を様々な方向に散乱させて艶消し色を実現しています。最近よく見かけることが多くなりましたよね。

ポルシェ

乱反射は塗装表面の凹凸により発生します。艶消し以外の塗装表面はもともと凹凸が少なく、滑らかなのですが、時間の経過とともに凹凸が増え乱反射を発生させます。

凹凸の原因は汚れの堆積や、細かな傷によるものが多く、皮肉なことに、日ごろの洗車によって汚れの堆積や傷をつけてしまっていることが多いのです。

シャンプーのすすぎ残しや、様々な洗車ケミカルが酸化し劣化することでレイヤー状に絡み合い、落としにくい汚れやシミに変化したものが塗装表面に付着します。

洗車後の拭き残しもシミの原因となりますし、塗装面のキズは主に洗車時の拭き取りの時についてしまうキズなのです。

 

→コーティングに影響する洗車のポイントは?

 

そこで、コーティング剤を塗布する前の下地処理によって塗装表面を滑らかにして、輝きを導き出していきます。その整った塗装下地を保護する役割の担うのが「コーティング剤」です。塗装本来の発色と輝きの維持に一役かっているのです。

コーティング剤の性能

その役割を担うためには、コーティング剤に、次の能力が備わっていることが重要です。

・強度と耐久性

・透明性と光沢

・耐候性

・防錆

・防汚性

この能力は、残念ながら従来のワックスに備わっていません。光沢性は◎ですが、耐候性や耐久性はありません。ポリマー系コーティング剤もワックスより耐候性や耐久性は高いものの、まだ弱い部分が目立ちます。では、どんなコーティング剤が良いのでしょうか。

答えは、ガラス系コーティング剤とガラスコーティング剤です。

→新車はやっぱりガラスコーティングがオススメ?うれしいポイントと長持ちさせるコツを紹介

 

私たちブランズが提供するコーティングはガラス系コーティングとガラスコーティングの二種類のみとなります。性能・人気NO1は、プレミアムコーティングになります。先ほどのコーティングの役割をすべてカバーする能力を備えております。

  • 強度と耐久性
    鉛筆硬度9H以上の無機溶剤100%のガラスコーティング高密度のガラス粒子が浸透結合し100%無機質の被膜を形成
  • 透明性と光沢
    ガラス被膜が塗装表面の凹凸を埋め、光の乱反射を抑えます。
  • 耐候性
    100%無機質のガラス被膜は紫外線、酸性雨などの天候・気候から防護
  • 防錆
    錆や浸食の原因となる砂埃、鉄粉、鳥糞、虫の死骸などから車を美しく保持します。
  • 防汚性
    セルフクリーニング効果で水と共に塗装表面の汚れが流れ落ちます。

ブランズのコーティング

 

まとめ

車の塗装技術は年々進歩しています。たった髪の毛一本の厚みほどで、車を守り、車のデザインを引き立て、乗る人、見る人を楽しませています。

各メーカーの塗装部門の人にしてみれば、「どうしたら綺麗な色をだせるのだろうか」、「深みのある色は何を混ぜればできるのだろうか」など、頭の中から無くなることはなく、やっとの想いで出来上がった色を車に纏わせ、世に送り出しているのでしょう。

輸入車、日本車に関わらず、塗装に込めた想いに敬意を表します。そして、購入した皆様は、愛車をいつまでも綺麗で輝きのある状態で乗りたいという思いがあると思います。

私たちコーティング施工会社が、それぞれの想いに応えるべくミクロの世界で塗装と向き合っております。「いかに元色を引き出したらよいのか」、「輝きを出すために塗装表面をなるべく削らずに仕上げるにはどうしたら良いのか」を考えながら施工しています。

今後も塗装のこと、コーティングのことに関して皆様に情報を提供してまいりたいと思います。

一人でも多くの方に、我々のおススメするコーティングを施工させていただき、笑顔を増やしていきたいです。

 

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