タイヤをキレイにするコツ
と、疑問に思っている方はいませんか? 我々のようなコーティング専門店さんも「正しい洗車方法」や「汚れの落とし方」を解説しているのを見かけますが、タイヤに関しては記事が少ないですね。 今回はタイヤをキレイにするコツをお話ししたいと思います。 Contents ボディをシャンプーで綺麗にして、拭き上げて洗車が終わっても、なんか”綺麗になった感”が感じられないな、と思った方。 おそらくタイヤが原因です。 タイヤは艶消しの黒で、薄っすらと光を反射しているくらいで綺麗に見えます。 ボディがツヤツヤで足元のタイヤがそのような状態であれば「洗車してキレイになった」と実感するでしょう。 ではどうすればタイヤをキレイにすることができるのでしょうか。 まずはキレイにする方法を見る前に、タイヤの素材について少し見てみましょう。 ご存知の通り、タイヤはゴムでできています。天然ゴムや石油から生成されるゴムを使っています。当然、ゴムだけでは柔らかすぎて何トンもある車を支えられませんから骨格があります。 すり減ったタイヤで、ワイヤーが出ているのを見かけたことはないでしょうか。 自転車でもゴムがすり減って白い繊維のようなものが見えているものを見かけたことはありませんか? あの繊維の網目のようなものが骨格で、タイヤコードと呼ばれるものです。 このタイヤコードがあるおかげで、タイヤは車重にも耐え、ねじり、曲がり、ひねりに耐えることができるのです。 しかし、それだけではまだまだ安心できません。 ゴムは劣化がとても早くて、タイヤコードで強度は増しますが、タイヤそのものの耐久性を強化しなければ長持ちしません。 そこでタイヤの素材に補強材を混入させます。 この補強材はカーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウムなどで、そのほかに、柔軟剤、老化防止剤などの配合剤が混ぜ合わされています。 炭素の微粒子で、ゴムを長持ちさせるために使います。タイヤが黒いのもこのカーボンブラックの色になります。 二酸化ケイ素で、お化粧に使うファンデーションや、我々の施工するコーティング剤に含まれている成分で、カーボンブラックと混ぜることによりゴムを補強する役割があります。 十数年前のタイヤと今のタイヤは技術革新により構成する成分が異なり、タイヤ自体の色が異なります。昔のタイヤは濃い黒ですが、最近のタイヤは若干灰色が強く、黒が薄くなっています。 これは、カーボンブラックの配合率が下がり、シリカの含有量が増えた結果、タイヤの色にも影響しているのです。 貝殻や卵の殻にも含まれている成分で、タイヤの補強材に使われています。タイヤ製造のはるか昔には増量剤として使われており、今のような黒いタイヤではなく、白いタイヤの時代がありました。当時のタイヤは炭酸カルシウムを多く含み白色のタイヤだったのです。 ゴムに混ぜることで、弾力性、加工性を高め、老化防止、劣化防止に役立ちます。配合剤のおかげでタイヤ表面のひび割れも抑制することができます。 タイヤメーカーは、タイヤが長持ちするように研究開発し、技術革新を重ねて、様々な使用目的に合ったタイヤを世に送り出しています。 劣化しにくくなったタイヤは、ひび割れしにくくなり、溝さえあれば何年も装着したまま使用しているのを見かけるようになりました。 溝があっても、ゴム自体が劣化しますので、ある程度経過したタイヤは、溝の有無にかかわらず交換を検討したほうが良いと思います。 一般的にタイヤの使用年数(寿命)は、夏タイヤで5年、冬タイヤで3年と言われております。未使用のタイヤでも10年となっています。注意したいところですね。 タイヤの寿命に近づきながらも、溝はまだあるし交換はまだまだ先と思いながら使っているタイヤは、見た目はどんな感じですか? 恐らく、タイヤの角(トレッド面とサイドウォールの角)に細かなひび割れが見られませんか?また、サイドウォールが茶色っぽく見えませんか? サイドウォールが茶色っぽくなっている原因は、泥がついたり、ブレーキダストがついて茶色くなっている場合もありますが、他の原因によるものもあるのです。 先ほどタイヤの素材の話の中にあった、「配合剤」が原因の場合が考えられます。 タイヤの使用期間が長くなると、タイヤに含まれる「配合剤」がタイヤ表面に浮き出てくるようになり、茶色く見えるのです。 ちなみに、この写真のタイヤは2013年製で、7年経過しています。 うっすら茶色がかって、小さなヒビも発生しています。 タイヤ表面に浮き出て酸化・劣化した成分ですので、茶色く変色しているからダメということではありませんが、見た目に美しくありませんのでしっかり洗ってキレイにしておきたいものです。 いよいよ本題です。 タイヤを洗うにはどのようにしたら良いでしょうか。 高圧洗浄機があれば効率的ですが、無い場合は、ホースで水圧が得られるように口をつぶしながらタイヤハウス内とタイヤ、ホイールに水をかけます。この段階である程度の泥などが流れ落ち、固着した汚れがふやけますのでタップリの水をかけます ▼ ホイール専用のスポンジを用意し、ホイールをやさしく洗います。ブレーキダストがこびり付いて落としにくい場合はホイールシャンプーなどで使い汚れを落としていきます。 ▼ タイヤを洗うブラシやタワシで水洗いします。この時、シャンプーなどは使用せず水で洗っていきます。 泡が無いと綺麗になった感じが出ないと感じる方や、水だけでは落としきれないと感じる方は、中性洗剤を使って洗ってください。バケツに台所用の洗剤を1、2滴たらして薄めて使用してもOKです。 タイヤにはゴムが劣化しない為の配合剤が混ざっています。洗剤を使うことで化学反応が起き、劣化を早めてしまうリスクや、ゴムの脂分を除去してしまい、同じく劣化を早めてしまうことがあります。 タイヤを洗う時には水洗いが基本です。 タイヤを洗ってから美観と保護を兼ねたタイヤワックスの使用は効果的です。 ただし、タイヤワックスの種類は重要です。 タイヤワックスには大きく分けて「水性」と「油性」のものがあります。タイヤの為に良いのは「水性」になります。水性のタイヤワックスを付けて、余剰分はしっかり拭き取ってください。 余剰分がありますと、飛び散ったり、汚れが付きやすくなってしまうますので、ワックスを掛けた後は乾拭きしてください。 油性のタイヤワックスは艶も出ますし、長持ちするのですが、タイヤにはあまり良くなさそうです。 油性タイヤワックス 塗りやすく、一度塗ったらツヤが長持ちするモノが多い。値段は比較的安価。 しかし、石油系溶剤を含む商品はゴムの変質・劣化に影響を与えるケースもあるので、注意が必要。 出典:横浜ゴム 油性のワックス成分が、タイヤのゴムに含まれる配合剤と馴染み、酸化を促進してしまうのが原因です。 油性のタイヤワックスは、タイヤの劣化を促進してしまうことを考えると、使用するのに躊躇してしまいます。 実は劣化を早めることとして「走らなすぎ」も挙げられるのです。 中古車展示場を見に行っていただければ良くわかるのですが、4年落ちなのに走行4千キロの展示車や、5年落ちなのに1万キロの展示車のタイヤは、そのほとんどがひび割れています。(小さなひび割れが無数にあります) これは、タイヤに配合されている劣化防止剤が適度にタイヤ表面ににじみ出ずに劣化を早めてしまったことが考えられます。 適度にたわんだり、ねじれたりしないとダメなんですね。 ボディがツヤツヤでも、タイヤに艶がなかったりするとキレイ感がありません。 「どうせ汚れるから」と言ってタイヤを洗わないでいると汚れが固着して落としにくくなってしまいます。 冒頭の「洗車をしている人」の疑問や不安について回答すると次の通りです。 A:基本は水洗いで大丈夫です。汚れが落としにくい場合は洗剤を薄めて使用してください。 Q:スプレーで泡まみれにすると黒くなるけど大丈夫なの? A:そのスプレーの成分をご覧いただき、水性であればOKです。紫外線に配慮したスプレーがあるとなおさら良いですね。 Q:綺麗に洗車をしても何かパットとしないな、何で? A:塗装面の汚れが取り切れていない場合や、薄傷が無数にある為にパッとしない場合がありますが、足回りが汚れているのかもしれません。 Q:洗車方法とか調べるの好きだけどタイヤってよくわからないな A:今回の記事を参考にしてください タイヤをキレイにしつつ、タイヤを劣化させないことが良いことがわかりました。 洗車をするときは、タイヤにやさしい洗車を心がけていきましょう。 車のキレイに関するお悩み、ご相談は、コーティング専門店ブランズで受け付けております。 お気軽にお問合せください。
タイヤをキレイにするコツ
タイヤの素材
カーボンブラック
シリカ
炭酸カルシウム
配合剤
タイヤが茶色っぽく見える
タイヤの洗い方
タイヤに洗剤を使ってはいけない理由
タイヤワックスは使っていいの?
劣化を早めるもう一つの原因
まとめ