マットカラーのウラカン。汚れが落ちないんです
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マットブルーのウラカンEVOが入庫しました
東京都港区のウラカンオーナーからの電話。
「マットカラーの車に乗っているんだがウォッシャーの跡が消えなくて困ってる」
とのこと。
弊店のホームページをご覧になられてお問い合わせをしていただきました。
数ある専門店の中からお問い合わせ頂いたことに感謝申し上げます!
お話しによると、2週間前にウォッシャーを使用した所、リヤフェンダー付近に液ダレのような跡がついてしまい、洗車で落とそうとやってみても落ちなくて困ってしまったとのこと。
弊店は「マット塗装専用コーティング」の施工を数多く施工しております。多少の知識は持ち合わせているつもりですので、まずは汚れのつき具合を確認させていただくことをご提案申し上げました。
マットブルーのウラカンEVOとご対面
鮮やかなマットブルーとランボルギーニのエンジンサウンド。存在感タップリのお車が近づいてきました。
綺麗なコンディションを維持されているようで、ボディカラーの発色の鮮やかさが印象的でした。マットカラーに相応しい「屋内保管」は当然の様で、日ごろのお手入れも行き届いておりました。
この日は春の暖かさと柔らかい日差しを感じることのできるお天気で、問題のリヤフェンダーの状態が良く見えました。
《右リヤフェンダー》
写真に映すのは難しかったのですが、おわかりいただけますでしょうか?
LED照明下でも撮影してみました。思ったより広範囲です。
確かに液体が流れ落ちたまま塗装表面に独特の模様が描かれていました。
果たして綺麗になるのかどうか。。。現時点では判断がつきません。
ボンネット。白っぽくなっているシミがあります。
ガラスの内窓が汚れていますがしっかり綺麗に拭き上げますので大丈夫です。
リヤガラスの両脇に穴の開いたダクトカバーがついていますので、水道水等の水分が乾燥して白いシミをつくっています。
リヤゲートを開けた裏側。
左リヤフェンダーの前に立って撮影。樹脂部分に白いカルキシミが見受けられます。
リヤガラスのフチが白くなってます。ピアノブラックパネルを磨いた時に研磨剤がついてしまったのでしょうか。撮影はしませんでしたが、他の研磨できるパーツに若干バフ目が入っておりました。
マフラーエンド。左側。
右側。
全体的に綺麗で、日ごろのお手入れが行き届いていました。マット塗装だけに気を使ってらっしゃるのが良くわかります。
弊店のマット塗装専用コーティングでスッキリさせていただきます!
マット塗装の汚れ落としはやってくれないの?
弊店の場合、マット塗装のシミや汚れ落としのみのご依頼はお受けしておらず、「マット塗装専用コーティング」の施工をお願いしております。
よくお客様より「マット塗装についてしまった汚れやシミだけを除去して欲しい」とご依頼をお受けしますが、弊店の場合、汚れ落とし単独のメニューは存在しておりません。
ご相談内容や、ケースによっては例外的にお引き受けする場合もございますが、マット塗装の場合、「洗浄+コーティング」はセットでご案内しております。(通常はマット塗装専用コーティングをご用命くだされば汚れ落としは付帯されています)
これには理由がございます。
マット塗装についたシミや汚れを落とす工程で「ケミカル」を使用するのですが、このケミカルにより塗装表面についているコーティングや何かしらの保護剤が除去されたりする(もしくは弱まる)ことがあります。
※ケミカル・・化学的に合成された液剤などをいいます。ボディに付着した汚れやシミを、酸性、アルカリ性、溶剤、界面活性剤などを使って落とします。
そのような状態ですと、塗装表面が保護されていない状態で過酷な外部環境に晒すことになります。また、塗装表面が綺麗になった状態というのは、かえって汚れがつきやすい状態とも言えます。
お客様の大切なお車です。一時の「キレイ」で納めるのは簡単かもしれませんが、「キレイの継続」を考えた場合、真っ新な塗装のまま納めることはできません。
※ケミカルによる洗浄で塗装表面の汚れなどが完全に除去されて、“完全無防備な状態”になるということではありません。ケミカルに反応する部分とそうで無い部分が混在します。特に使用過程車においてはその傾向が強く出ます。
これが、「シミや汚れ落とし+コーティング」をセットでご案内する理由です。
今回のランボルギーニウラカンEVOの施工内容
リヤフェンダーの液だれのような汚れ落としがメインですが、「汚れ落とし+コーティング」でご用命賜りました。
・マット塗装専用コーティング ・リヤフェンダー処理作業 ・ホイールコーティング ありがとうございます!! マット塗装(艶消し塗装)と言われる塗装は、あえて艶が出ないように、表面を凸凹させている塗装になります。凹凸によって光が乱反射してツヤがひけたような、深みのあるしっとりとした艶感になるのです。 この塗装表面の凸凹を無くしてしまうと光が乱反射せずに艶が出てしまい、普通の塗装と変わらない艶感になります。そのため、塗装表面に水アカや、薄傷がついたからと言って、いつものようにコンパウンドで磨いたら大変なことになってしまいます。 塗装表面が削れて、マット塗装の特徴でもある凹凸が無くなってしまいます。結果、コンパウンドを使った所だけツヤツヤになり、使っていない所よりも少し濃い感じになってしまうのです。 マット塗装って普通の塗装と違うの?
マット塗装の悩み
マット塗装を所有した人だけが感じる悩みは「汚れがつきやすく、しかも落としにくい」ところ。
マット塗装は、塗装表面がザラザラしていて、凹凸があるのでどうしても汚れが詰まりやすいんです。大気中の砂埃や、大気中の排気ガスの塵などが凹凸の目の中に入り込んで取りにくいんですね。
しかも、手垢(油分)もつきやすく、ボンネットやドアを触ると指の跡がしっかり残ってしまいます。
マット塗装の車のオーナーは、マメに洗車ができる人でないと維持するのが難しい側面があります。
マット塗装の汚れ落とし
では、ついてしまった汚れはどうしたら良いのでしょうか。
結論から申し上げますと“汚れに合わせたケミカルを使う”ことになります。
通常の塗装ですと、薄い傷や頑固な水アカはコンパウンド(研磨剤)を使って簡単に落とすことができます。しかし、マット塗装は「コンパウンドが使えない」のです。
しかも強い力で塗装面を擦って汚れを落とそうとすると、その部分だけ艶がでてしまいます。
くれぐれもご注意ください。
万が一コンパウンドを使ってしまった場合は、弊店でもリカバリーできません。塗装修理か、状況によってはステルスラッピングを施工するかしか方法が無くなります。
果たして液だれのような汚れは落ちたのか?
話を元に戻しまして、ランボルギーニウラカンの右リヤフェンダーについてしまった液だれのような汚れは落とすことができたのでしょうか??
結論から申し上げると何とか落とせました。大変でしたが。。。
しかしながら、他の部分に散見されたシミで落とせないものがあったのも事実です。落とせなかったシミは、だいたい共通して「ツヤのあるシミ」「色が濃くなっているシミ」になります。
油分を含んでしまったのか、塗装に浸透してしまったのか、弊店の技術と知識をもってしても敵わないシミや汚れがあるのも事実です。
あとは、一見汚れやシミに見えるものでも、実は塗装表面に何かが当たってしまいマット塗装の凹凸をつぶしてしまってそのように見えるものもあります。
マスキングテープが貼ってある左側に白っぽい線状の形が見えます。
こちらは横に薄っすらと線状の形をしたものが見えます。
この場合は当然ケミカルに反応する、しないというレベルではなく、塗装のダメージになりますので弊店では除去することはできません、塗装屋さんの領域になります。
とは言うものの、コーティングすることで多少目立たなくなったりしますので、塗装する作業は”最終手段”になります。まずは弊店に相談してからでも遅くはないと思います。
マット塗装の汚れやシミに関しては、時間の経過と共に落とせるものも落とせなくなってしまう場合がございますので、早めにご相談することをおススメします。
コーティング施工完了!
マット感たっぷりの仕上がりになりました。
やわらかい光の反射がポイントです。ツヤが出てしまうコーティングや、今は流行りの硬化系コーティングは不向きになります。
美しい。
この複雑なデザインが更に美しさを際立たせます。
ホイールコーティング(表面のみ)を施工しましたので、ツヤツヤ且つツルツルに仕上がっています。ブレーキダストも落ちやすくなっておりますのでお手入れがラクになります。
ホイールの艶感と、大型キャリパーの存在感を感じる写真。
ルーフはラッピング施工してありましたので、研磨したい気持ちをグッと抑えて下地処理をしました。ラッピングにもしっかりコーティングしてありますのでご安心ください。
ルーフのラッピングも研磨すれば小傷が薄くなり発色が良くなりますが、ラッピング自体の保護膜を薄くしてしまったり、除去してしまうことはお車の為にならないので積極的に研磨をしない選択をしました。
一時的な綺麗を求める施工や、施工者の自己満足は弊店のポリシーに反します。偉そうなことを申し上げて恐縮ですが、この点は一貫してます。
ボンネットのシミ、どこにあったか分からないです。
ボンネットを開けるとシーテックの配線が出ておりましたので、施工作業中は弊店のシーテックを繋いでおりました。
運転席側のサイドステップ。乗り降りの際に傷や汚れが付いてしまうのを防ぐために粘着ビニールで養生してあります。
赤いスイッチカバーを上にあげる時からワクワクしますね。そしてスイッチを押した瞬間にランボルギーニサウンドが響き渡ります。
エンジンスタートは一度スターターボタンを押してアクセサリー電源にした後に、エンジンスタートすると良いと前に聞いたことがありましたのでそのような順番でエンジンをかけておりました。
リバースのシフトスイッチもたまりませんね。この発想。
エンジンカバー周りのカルキジミもスッキリ。
このたびはご入庫くださいまして誠に有難うございました。
数ある施工専門店から弊店をお選びいただき重ねて御礼申し上げます!
仕上がりはいかがでしょうか。
マット塗装にコーティング施工することで、艶消し感をそのままに、塗装をしっかり保護します。
なお、弊店最大の売りである「定期メンテナンス無料」の付帯が残念ながらできませんので、定期的な再施工をおすすめしております。(塗装コンディションを見ながら再施工のタイミングを計っていきましょう)
ご不明な点や、ご使用になられて不安な点などがございましたらお気軽にお問い合わせください。
今後ともどうぞよろしくおねがいします。