BMWのコーティングはどうすれば良いの? コーティングはそもそも必要なの?
輸入車を中心にコーティング施工をしているブランズです。今回はBMWのコーティングについて考えていきたいと思います。
ところで、BMWのエンブレム。お馴染みのデザインですね。円の中を4分割し、青色と白色に塗り分けられ、縁取りの中に「BMW」の文字があります。
デザインは、BMWがかつて飛行機のエンジンメーカーであったことからプロペラをイメージしたもので、青色はドイツバイエルンの青空を表し、白色は雲をイメージしてます。
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「カーコーティング」ってそもそも必要なの?
カーコーティングは必要か否か?につきましては、結論から申し上げますと、必要です。とお答えします。
車の塗装は、塗装技術の進歩により、退色しにくく、塗膜が薄くても耐久性が保て、綺麗に発色される塗装になっています。では塗装だけでも十分に美しく保てるのでは?と思う方もおられるでしょう。確かにある程度は大丈夫な面もあります。しかし、技術の進歩と引き換えに、塗膜の厚みを薄くして製造コストを下げることが可能となり、また、環境に配慮するために塗料の成分が油性から水性塗料に代わったことも影響して、「耐久性」の面においては慎重にならざるを得ません。
水性塗料が全部ダメとは言い切りませんが、やはり耐久性の面ではこれまでの油性塗料と同等であるとは言い切れない状況です。現に、ベースは水性、クリアは油性、という車もあるくらいですので、性能面で油性塗料を超えているのであれば全部水性塗料で塗装すれば良いわけですし、それができない、ということは裏を返せば耐久性に難があることを表しています。(年々水性塗料の性能が向上しておりますので一概に申し上げることはできませんが、あくまで傾向という話です)
BMWは日本より環境規制の厳しいドイツの車ですから、メーカーは厳しい環境規制をクリアした塗料を使わなければなりません。このような取り組みは、有害物質の排出を抑えるために必要な措置ですし、人体や環境に悪影響を与えるものを排除する傾向は良いことだと思います。
新車で納車され、塗装がむき出しの「素」の状態であれば、過酷な外部環境に晒されることで劣化するスピードが早まります。それは、人の肌に置き換えて考えるとわかりやすいのかも知れません。スキンケアを怠ると角質の詰まりや紫外線の影響を受けてダメージを受けてしまいますよね。結果としてシミやシワができてしまい、できてから手入れをするよりも、しっかりと予防することで美肌を手に入れるほうが良いということは誰でもご存知かと思います。
あなたの愛車も一緒です。
新車の輝きと曇りのないスッキリとした塗装面を維持するには、何かしら手を加えてあげないと難しい状況です。何もしなければどんどん汚れが堆積し、雨や太陽光線の攻撃を受けて劣化していきます。ただ洗顔をしていれば良い訳でなく、美しい肌を保つには乳液等で保護をしてあげないと「素」のパワーだけでは歯が立たないのです。
そこで、車には「コーティング」という保護をする手法がありますので、しっかり守っていきましょうとお伝えしたいのです。
カーコーティングの種類
コーティングの種類は大まかに分けると、主に次の4つに分けられます。
- ワックスコーティング
- ポリマーコーティング
- ガラス系コーティング
- ガラスコーティング
ワックスコーティング
ワックスコーティングは油成分を塗装に塗ることで輝きと保護をします。ワックスには固形、半練り、液体などの種類がありますが、効果の持続性は半月から1ヶ月くらいです。
主成分が油ですので、艶が出て、防水には効果を発揮しますが、低温でも溶解しやすく、酸化、劣化、汚れを吸い寄せる性質は避けられません。油が溶けてフロントガラスに付着し、油膜となることや、雨が降った後にドアミラーの下やサイドステップに黒い線状のシミが付いてしまったりします。水垢ですね。
マメにワックスがけをする方や、ご自身で手入れをすることが好きな方は、仮に水垢がついてしまたり、耐久性が無くても効果を持続させることができますので、ワックスコーティングもおススメできます。
市販されているワックスの中には“ホワイト車用”と分かり易いネーミングで販売されているものがあり、白い車に乗っている人は思わず購入してしまいそうですが、ほとんどの場合、研磨剤が入っておりますので用途に合わせて使用したほうが良さそうです。
研磨剤入りのワックスを頻繁にかけますと、当然塗膜が削られ薄くなるのと同時に、研磨された表面にワックスが入り込み汚れを堆積させてしまう恐れがあります。人の力は均一ではありませんので、力が入っている所とそうでない所にムラが生まれ、場合によっては汚れを落とす代わりに小傷を塗装面に残すことになってしまいます。
ワックスコーティングをする方は、研磨剤無しのタイプを選択し施工することをおススメします。
ポリマーコーティング
ポリマーコーティングは、フッ素やシリコン、チタン系ポリマーなどが配合されており、ワックスコーティングよりは耐久性があります。耐久性は概ね、3か月くらいです。
含まれている成分や、塗装面に対する結合方法の違いなどで分類され、DIYで施工される方も多く、比較的安価で施工できるのも特徴です。
ポリマーコーティングに使用される溶剤には、油成分を多く含む為、ワックス同様劣化が早く、汚れを吸着しやすいデメリットがあります。施工したポリマーが劣化し、再施工する際はしっかり古いポリマーを落として施工することをおススメします。ワックスよりも耐久性があるため、落とし方にムラがあると汚れを堆積させてしまいます。汚れの上にコーティングし汚れを閉じ込めてしまうことになりますので注意が必要です。
ガラス系コーティング
ガラス系コーティングは、コーティング剤にガラス成分の入ったものになります。一般的にガラスコーティングとガラス系コーティングを一緒にしてガラスコーティングと称している場合もありますが、コーティング剤に含まれている成分によって、ガラス系か、ガラスコーティングなのか区別されますので、しっかり分けて表記していただきたいところです。
主にガラス系コーティングは、樹脂系にガラス成分が含まれている液剤が多く、その含有量が多いものと、極端に少ないものとがあり、どれも一括りでガラス系コーティングの部類に入っているので、選択する際に迷う部分だと思います。
もともと、ガラス成分を含めたコーティング剤は、製造することが難しく、ガラス成分のみでは液剤にしておくことができなかったのです。研究開発が進み、有機物を配合することで液剤にすることに成功すると、世の中にガラス系コーティングが広まりました。
ポリマーよりも耐久性が高く、形成される被膜が強い為に一気に広まりました。耐久性は6か月から1年くらいで、耐久性が高く、ポリマーと比較すると高価でしたが、「ガラス」のように強くて透明感の強いイメージが先行して広まったものと考えられます。施工者側から見ても、液剤が直ぐに乾いて硬化し始めるものでは無いので、施工性が高く評判が良いです。
ただ、ポリマーに比べて耐久性が長いと言っても「ガラス系=有機物が含まれている」ということで、劣化しやすくなっていることは否定できません。硬化し保護する役割のガラス成分が少なければ、コーティング剤の濃度が薄い訳で、紫外線や酸性雨の攻撃に弱くなってしまいます。
二種類のガラス系コーティング
ガラス系コーティングは、配合されている成分によって大きく分けて2種類になります。
コーティング剤塗布後、化学反応せずにそのまま硬化します。配合されている有機物が多く残り、紫外線などの影響を受けやすく、劣化してしまいます。
コーティング剤塗布後、空気中の水分と化学反応をおこし、ガラス成分を多く残すもの。
液剤の中に少量の有機物を含むが、気化してしまいます。
ガラスコーティング
ガラスコーティングは、コーティング剤に有機物を含まないもので、コーティング剤塗布後、無機質のガラス被膜を形成するものです。ガラス系に比べて耐久性が高く、紫外線、酸性雨からボディーを守ります。完全硬化するまでに時間が掛かりますが、完成したガラス被膜はなたの愛車をしっかり守ります。
弊店の取り扱っているプレミアムコーティングは「ガラスコーティング」でございます。
コーティングの歴史を振り返りますと、ワックス→ポリマー→有機物配合ガラス系→無機質配合ガラス系と変遷し、現在、第5世代と言われている“無機質ガラスコーティング”になります。これまで、油分のせいで持ちが悪く、、、有機物が含まれているから劣化が早く、、、などと、耐久性に難があったコーティング剤が改良され、無機質のガラスコーティングが生まれました。
超微粒子ナノ化技術によりガラス成分が分子レベルで浸透結合し、強固なガラス被膜を形成します。これにより、硬度を確保し、耐久性を維持することができます。100%無機質のガラス被膜は汚れを蓄積せず、セルフクリーニング効果で汚れにくく、付いた汚れも落としやすくなります。耐熱、耐候性に優れているために紫外線から塗装を守ります。
BMWに合うコーティングとは?
コーティングの種類については大まかにご説明して参りましたが、果たしてどのコーティングがBMWに合うのでしょうか?ご自身の価値観や保管状況、使用環境等により様々ですが、まずはBMWの塗装について理解をしてからコーティングを選択することとしましょう。
BMWの塗装
BMWの塗装は、通常の塗装とは異なり、「自己修復塗料」で塗装されています。これは、塗装のクリア層に秘密があり、外からの力に対して柔軟性のある塗料がそれを吸収し、元に戻そうとする機能を持つ塗料になります。イメージとすれば絹豆腐やゼリーの表面をイメージすると分かり易いかも知れません。指でやさしく押すと、離したときに戻りますよね、あの感じです。
日産ですとスクラッチシールド、トヨタではセルフストアリングコートと言われている塗装とほぼ同じです。
傷を修復してくれる塗装は非常に画期的なものです。誰しも塗装面についた小傷は嫌なものです。どんどん小傷が増えると乱反射してモヤったような塗装になってしまいます。我々の施工しているお車も、施工に入る前は、複数の小傷やシミにまみれた状態からスタートしますので、やりがいを感じます。
自己修復機能のある塗装は、簡単に分かり易く言うと、塗装面に付いてしまった小傷や薄傷は、時間と共に徐々に薄くなりますよ、太陽光などの熱により受けたキズ跡を徐々に復元しますよ、という塗装です。
大変すばらしい塗装なのですが、やはり万能ではなく、
・クリア層に柔軟性があるため傷が入りやすい
・柔軟性がある塗装面のため、ウォータースポットが付きやすい(クレーターのようなシミ)
・通常の塗装より特殊機能を持っている為、塗装料金が割高
のようなデメリットがあります。ある程度の傷に対しての耐性はありますが、汚れやシミに関しては通常の塗装と変わらないため、何もしなければどんどん汚れますし、シミも普通に付きます。ウォータースポットに関しては、発生するスピードが若干はやいのではないでしょうか。
BMWの塗装に合ったコーティング
自己修復塗料も万能ではないことがわかりました。では、BMWにはどんなコーティングが良いのでしょうか。
イノベクションコーティング
このコーティングはBMWディラーで勧められるコーティングになります。BMWの自己修復塗料の機能を阻害しないコーティングとして提案しています。自己修復塗料は、柔軟性のあるクリア層が大きな役割を担っておりますので、そのクリア層が柔軟に活躍できるようにしてあげないと修復機能を阻害してしまいます。そこでイノベクションコーティングは塗装に追従する柔軟性のある、「ポリマーコーティング」となります。
ポリマーコーティングは特徴として、柔かいコーティングとなりますので、耐擦性や耐久性では、硬化系のコーティングに劣ってしまいます。
BMWには硬化系のガラスコーティングがおすすめ
BMWの塗装特性を考えると、コーティングの選択肢は次の通りではないでしょうか。
②自己修復機能を阻害しても塗装面を強固に保護する硬化系コーティング
柔かいコーティングは、主にワックスコーティングやポリマーコーティングで、硬化系コーティングは主にガラス系、ガラスコーティングとなります。
自己修復塗装も、汚れやシミの付着がありますし、柔らかいが故のデメリットも存在しているのが事実です。あとは、ご自身の価値観で選択するしかありませんが、弊店としては、②の自己修復機能を阻害しても塗装面を強固に保護する硬化系コーティングで、「ガラスコーティング」をおススメしております。
なぜ、自己修復機能を阻害しても塗装面を強固に保護する硬化系コーティングなのか。それは、自己修復塗装は、傷を修復する機能でカバーできる範囲が少ないのと、塗装が柔らかいことによる弊害のほうが大きいからです。自己修復塗装も、通常の塗装のように汚れますしシミも付きます。塗装面で汚れ等がスクラムを組まれてしまうと中々落とすことが難しくなります。
うす傷や線傷の影響よりも、塗装への汚れの浸透や、シミになるリスクのほうを防ぎたいですし、日ごろのメンテナンスで汚れが落ちやすいほうが良いですし、雨に当たったり、洗車によりコーティングが落ちてしまうのも嫌だと思いますので、ガラスコーティングをおススメしているのです。
そうは言っても「折角の高機能塗装の効力を存分に味わいたい」という方には、塗装への追従性の高い「エシュロン」をおススメします。エシュロンはガラス系コーティングとなります。施工後、大気と化学反応し、塗装面にガラス被膜を形成します。ポリマーコーティングよりも耐久性が高く、外部環境から塗装を保護します。エシュロンは、ガラス系コーティングの中でも、柔軟性が高いコーティングですので、ガラス被膜で覆われているのに自己修復機能を阻害しにくく、おススメのコーティングとなります。
もちろん、ブランズでも施工しておりますので、ご自身のBMWをしっかり保護していきましょう。
まとめ
私の知人がBMWを購入した時に、やはりコーティングを勧められたのですが、「自己修復機能を損なうのでガラスコーティングはしないほうが良いですよ」と言われたそうです。大体の人が販売員に言われたら従ってしまいますよね。
確かに自己修復塗装のしくみを理解すると、間違いではないですが、塗装面をしっかり硬い被膜で保護することで良い場合もありますので、柔らかいコーティング、硬いコーティングのどちらを選択するかは、お客様のお好みを把握しないとしっかり提案できないのではないかと思います。
ポリマーコーティングをして定期的に再施工しながら、日ごろの洗車もていねいに手洗いして維持するのか、
もしくは、
塗装をしっかり保護するガラスコーティングをして、長期間塗装面に被膜を存在させて、日ごろの洗車も時に洗車機に入れて維持するのかは、最終的にご自身の価値観や使用環境によるところとなります。
この世の中に、万能の塗装が存在しないのと同じく、万能のコーティングも存在しません。いかにご自身の価値観に合う項目が多いのか、デメリットを打ち消すだけのメリットが存在するのかがポイントであるように思います。
汚れがつきにくく、落としやすいほうが良いと思いますし、日ごろのお手入れだけでツヤツヤになるほうが良いですし、コスパに優れたコーティングのほうが良いと思います。
大切な愛車を、しっかり守っていきましょう。私たちはそのお手伝いをしております。私共ブランズにご相談ください。