マット塗装のマセラティグラントゥーリズモ施工
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ネロコメタのマセラティ限定車が入庫しました
東京都武蔵野市より珍しいお色のマセラティが入庫致しました。
マジョーラカラーの”マット塗装“のお車です。
ラッピングでも、全塗装でもない純正色のマジョーラカラーマット塗装のお車です。
正直、このお色は拝見したことはありませんでした。
それもそのはず。75周年アニバーサリー限定車の希少なお車になります。
マセラティ グラントゥーリズモ トロフェオ ネロコメタ
世界限定75台で日本導入13台のみ。
出会いは1本のお電話
女性の方よりお電話が入りました。
「白くて丸いシミのようなものがついてしまい、取れないんです」
弊店のホームページをご覧になられてのお問い合わせでございました。
まずは数ある専門店の中からお問い合わせ頂いたことに感謝申し上げます!
弊店は「マット塗装専用コーティング」の施工を数多く施工しております。多少の知識は持ち合わせているつもりですので、大切なお車のコーティングはご安心してお預け下さいませ。
とは言うものの、“シミが取れない”症状は様々な種類があります。
除去可能なシミ・汚れか、除去不可能なシミ・汚れ。
電話ですと中々判断ができませんので、まずは状況を把握させていただきたい旨をお話しし、数時間後にご来店していただきました。
Nero Cometaのマセラティとご対面
新車で納車されて3週間程というマセラティ。
見たことのないボディカラーで驚きましたが、まずは、取れないシミを拝見。
ボンネットに十数個の白い斑点があります。
当然、水拭きをしても取れません。
シミの目立たない所を水拭きすると、乾くと見えなくなるシミがポツポツと出てきます。
一般的なカルキシミのようなものも塗装表面についています。
ルーフにも白いシミが見受けられましたが、水拭きすると同じようにシミが浮き上がって見えます。
典型的なシミです。ケミカルに反応するタイミングのシミであれば良いのですが、塗装に浸透し、食い込んだシミに関しては除去不可になります。
お客様が販売店に相談し、この状況をで見てもらいましたが「除去できません」という判断。塗装するしかないようです。
塗装となると数百万円が掛かるそう。
確かにマット塗装に付着した汚れやシミで除去できない場合、塗装するか、ステルスラッピングをするかしか方法が無さそうですが、納車して数週間で全塗装はキツイです。
お客様もかなりお困りの様。
弊社の知識と技術で落とせるかどうか試してみましょう、となりました。
マイクロファイバークロスの端にケミカルを染み込ませ、白いシミを直撃してみました。
やさしくケミカルを染み込ませる様に拭き上げると、反応するのが分かりました。
ただ、これだけ広範囲でかつ全体的に理由不明なムラのように見える塗装を、新車のように蘇らせるにはお時間が掛かります。
改めてスケジュールをご調整いただき、お預かりすることをご提案申し上げました。
また、弊社は「シミ・汚れ落としのみ」の施工メニューがございませんので、マット塗装専用コーティング施工のご案内を申し上げ、ご承諾いただきました。
ところで、なぜ、シミ・汚れ落としのみのメニューが存在しないか。
マット塗装についてしまったシミや汚れを落とす工程は、研磨ができない為に、ケミカルで洗浄して落とすことになります。弊社のようなプロのお店で使用するケミカルですので、塗装がスッピンのようになります。
人の肌と同じで、毛穴の汚れを取り、皮脂を除去しただけですとカサカサになってしまいお肌には良くありません。
塗装は皮脂を出したり呼吸したりはしませんが、過酷な外部環境と戦うための塗装肌になります。肌に保護膜を追加することで、汚れにくくなり、付いてしまった汚れなどを取れやすくする効果があります。
汚れ除去工程+コーティング施工のセットでないと愛車の為に良くありませんので、除去メニューのみのご提案はご遠慮させていただいております。
今回のマセラティの施工内容
・マット塗装専用コーティング ・SUPERガラスコーティング 三週間前に販売店でコーティングをしてもらったようでしたが、全体的に汚れなのか何なのかわかりませんがムラのような塗装面のコンディションでしたので、どこまで改善されるかは作業をしてみないと予想ができませんでした。 施工予定日にお預かりしてきた直後のコンディション。 雨上がりで汚れていましたので、ボンネットのみ水洗いをして塗装コンディションを確認。 側面のコンディション。汚れもついています。 フロントフェンダーのパネルは上下で素材が異なりますので色が少し異なります。 光の当たり方で、緑色に見えたり、赤色、茶色、様々な色合いに見える不思議な塗装です。 白いシミに関しましては、マット塗装専用コーティングの施工工程において除去したいと思っております。 保管場所が屋外とのことですので、窓ガラスにもしっかりとコーティングしたほうが良いとご提案申し上げ、“SUPERガラスコーティング”のオプションもご依頼いただきました。ありがとうございます!! コーティング作業に入る前に、屋内の車両保管場所に車を移動させ、もう一度塗装の確認をします。 太陽光、LEDライト、窓越しの光等の異なる光源で塗装表面を見ることにより、見えにくい汚れやシミ、塗装表面のコンディションを確認します。 丸い白いシミの他にも、何かのムラのようなものが見えます。気になります。 ある一部分は白っぽく、他の一部分は周りより色が濃くなって見えるような感じです。 このお車の特有であろう”塗装肌”はしっかり把握しておかなければなりません。 通常のマット塗装(MercedesやBMWなど)は塗装表面がマット塗装の特徴である凹凸になっていても、目で確認できるレベルの凹凸ではありません。 このマセラティは、目で確認できるほどの凹凸になっています。 この状態により、濃くなって見える箇所、そうで無い箇所がより際立って見えてしまいます。 フロント先端のトライデントエンブレムの上(ボンネットの先端)を見ていただければ写真にも塗装肌が映っています。この斑に見えるものと、塗装表面に付着している汚れやムラが原因で見えるものとは区別しなければなりません。 ここまで凹凸が大きいマット塗装は、汚れが入り込みやすくなりますので、普段のお手入れで意識していただくことが重要となります。 新車で納車されてからそれほど時間が経過していなくても、窓ガラスには様々な汚れが付着しています。 「ケミカル洗浄→研磨剤を使用したガラス下地処理→SUPERガラスコーティング剤の塗布→乾燥・拭き上げ→専用ワイパーに交換」の工程で仕上げていきます。 フロントガラスに既に飛び石傷がございましたが、丁寧に下地処理をして、コーティング剤が浸透密着しやすいように整えていきます。 さていよいよボディコーティング作業に入ります。 まずは塗装表面の水洗いで落とせる汚れを落としていきます。 細かい部分の泥汚れを、柔らかいハケなどを使用して細部洗浄します。 ルーフにはボンネットに付着していたようなシミの他にも、小さなシミがかなり存在しています。 ボンネットも同様。 トランクにも。 一番目立っていたシミの密集地には、何種類かのケミカルを使用して反応を確かめながら除去していきます。 小さい面積で、洗浄、拭き取り、確認を繰り返しながら全体に広げます。 塗装下地が整ったことを確認して、最終工程のマット塗装専用コーティングを塗布します。 マット塗装(艶消し塗装)と言われる塗装は、あえて艶が出ないように、表面を凸凹させている塗装になります。 凹凸によって光が乱反射してツヤがひけたような、深みのあるしっとりとした艶感になるのです。 この塗装表面の凸凹を無くしてしまうと光が乱反射せずに艶が出てしまい、普通の塗装と変わらない艶感になります。そのため、塗装表面に水アカや、薄傷がついたからと言って、いつものようにコンパウンドで磨いたら大変なことになってしまいます。 塗装表面が削れて、マット塗装の特徴でもある凹凸が無くなってしまいます。結果、コンパウンドを使った所だけツヤツヤになり、使っていない所よりも少し濃い感じになってしまうのです。 まずは窓ガラスのコーティングから
ボディコーティング施工開始
マット塗装って普通の塗装と違うの?
マット塗装の悩み
マット塗装を所有した人だけが感じる悩みは「汚れがつきやすく、しかも落としにくい」ところ。
マット塗装は、塗装表面がザラザラしていて、凹凸があるのでどうしても汚れが詰まりやすいんです。大気中の砂埃や、大気中の排気ガスの塵などが凹凸の目の中に入り込んで取りにくいんですね。しかも、手垢(油分)もつきやすく、ボンネットやドアを触ると指の跡がしっかり残ってしまいます。
マット塗装の車のオーナーは、マメに洗車ができる人でないと維持するのが難しい側面があります。
マット塗装の汚れ落とし
ついてしまった汚れはどうしたら良いのでしょうか。
結論から申し上げますと“汚れに合わせたケミカルを使う”ことになります。
通常の塗装ですと、薄い傷や頑固な水アカはコンパウンド(研磨剤)を使って簡単に落とすことができます。しかし、マット塗装は「コンパウンドが使えない」のです。
しかも強い力で塗装面を擦って汚れを落とそうとすると、その部分だけ艶がでてしまいます。
くれぐれもご注意ください。
万が一コンパウンドを使ってしまった場合は、弊店でもリカバリーできません。塗装修理か、状況によってはステルスラッピングを施工するかしか方法が無くなります。
コーティング施工完了!
ミントグリーンのエンブレムがマジョーラカラーのマット塗装で際立ちます。
光の当たり方で、グリーンやワインレッドに見えます。マット塗装特有のやさしい光の反射です。
マセラティの証。トライデントエンブレム。
塗装肌を撮影。ここまで凹凸している塗装は初めて見ました。
ガラスの透明感。しっかり下地処理をしてありますのでバッチリです。
フロントガラス下部のカウルトップもスッキリ洗浄済みです。懸案だった丸いシミもすっかりなくなりました。
ピンボケですみません。
フロントフェンダーのこの3つのダクトは、水切れが悪く、ブロアーを何回かけても水が出てきます。今後のお手入れの際、注意が必要かもしれません。
エンジンの始動はコチラのスイッチから。
お馴染みのシフトレバーはありません。モニター下のボタンを押してレンジを選択します。
ホワイトレザーにミントグリーンのエンブレムは映えますね。
このたびはご入庫くださいまして誠に有難うございました。
数ある施工専門店から弊店をお選びいただき重ねて御礼申し上げます!
仕上がりはいかがでしょうか。
マット塗装にコーティング施工することで、艶消し感をそのままに、塗装をしっかり保護します。
施工完了し、お届けしましたところ、お客様よりこんな嬉しいお言葉が届きました。
なお、弊店最大の売りである「定期メンテナンス無料」の付帯が残念ながらできませんので、定期的な再施工をおすすめしております。(塗装コンディションを見ながら再施工のタイミングを計っていきましょう)
ご不明な点や、ご使用になられて不安な点などがございましたらお気軽にお問い合わせください。
今後ともどうぞよろしくおねがいします。