カーコーティングのトラブルに合わないために
ボディコーティングを施工した人
「半年も経ってないのにコーティングが効いてないじゃん」
「地下駐車場で車を見たら無数の小キズだらけだったけど・・」
「ルーフモールの色が剥がれてるんですけど・・」
「ゴムの隙間に白いものがこびりついているよ」
愛車を綺麗に、輝かせたい気持ちでオーダーしたコーティング。
車を買った時にオプションで選択した方、知り合いにコーティング施工できる人がいたからお願いしたんだよ、とか、いろいろな方法で愛車をコーティング施工し、ほとんどの方が満足しているかと思います。反面、先ほどのように、不満やトラブルが発生してしまうこともあります。
今回は、残念ながらコーティング施工して不満に感じた方、トラブルになってしまった方に向けて、原因と対策について解説します。
Contents
コーティング施工のトラブル・失敗
車を購入する時に「お車のコーティングいかがですか?」とおすすめされることが多くなりました。いままでコーティングを施工したことのない人でも、「やってみるか」という感じでコーティング施工をする人が増えました。車を綺麗にする仕事をしている我々にしてみれば大変喜ばしいことです。
世の中に綺麗な車が増えるって嬉しいです。
ですが、一部、経験の浅い施工者などが作業をして様々なトラブルに見舞われる方が目につくようになりました。
先ほどの不満やトラブルを一つ一つ見ていきましょう。
「塗装表面にシミができて取れないよ」
大切に室内保管されていて雨の日は乗らない、と言う方を除き、ほとんどの方が経験する塗装表面の「シミ」。シミには様々な種類がありますが、多くの場合、雨シミ・水シミが目立つ存在ではないでしょうか。
結論からいうと、コーティング施工したからと言って、シミが付かないことは有りませんし、経験の浅い施工者が作業したから、という理由でシミがつきやすいというわけではありません。
コーティングは汚れがつきにくく、落としやすいものであって、汚れがつかないものではありません。
対策は、洗車をして塗装面の汚れを落としてあげること。その際、正しい洗車をしてあげること、になります。さらにコーティングのメンテナンスをすることで、雨シミや水シミの軽減に繋がり、コーティングの効果を持続することができます。
正しい洗車については
「半年も経ってないのにコーティングが効いてないじゃん」
この「コーティングが効く」という状況をどう定義するのかによって判断が異なります。
コーティングが効く=水玉になる、とか、コーティングが効く=汚れがつかない、と思っている方でしたら、雨さらし駐車で2か月もすれば「コーティングが効かないこと」になってしまいます。
コーティングが効く=塗装面にコーティング成分が存在している、という考え方が正解です。
コーティングが塗装面に存在していても、コーティング被膜の上に汚れや油分などがついたままですとコーティング剤のポテンシャルが損なわれ、撥水機能や親水機能、防汚機能が発揮できない状態になります。
撥水しなくなったのであれば、タップリの水を使って、塗装面の汚れを落としてみてください。撥水が復活するはずです。(しばらくお手入れ無しで汚れが固着している場合は残念ですが水洗いだけでは復活しません・・)
対策は、コーティング上の汚れを取り、定期メンテナンスすることが重要です。
ただ、ここで注意していただきたいのですが、落ちやすい(劣化しやすい)コーティング剤で施工しますと、いくら汚れをマメに取り除いても厳しいかと思います。コーティング自体が剥がれ落ちたり、劣化してしまいますので。
せっかくコーティング施工するのであれば、「ガラスコーティング」をして、被膜が劣化しにくいものを選択しましょう。
もう一つ、「コーティングが効いてないじゃん」に対しての答えは、施工不良が原因かもしれません。
コーティング剤を塗布する前の研磨不良と、脱脂不良のためにコーティング剤が定着していない場合があります。
研磨は塗装下地を整える役割があります。研磨不良の状態ですと、小傷や、固着した汚れなどがついたままコーティング剤を塗布しますので密着不良をおこします。
また、脱脂は、塗装面の油分を除去することになります。油分はコーティング剤を弾いてしまいますので、これも密着不良の原因となります。
使用しているコンパウンドが油性の場合や水性の場合によって、塗装面に付着いている油分量に違いがありますが、しっかり脱脂作業をすることで、コーティング剤の密着不良を回避できます。
丁寧な作業が重要となります。
女性の方のお化粧も、下地を整えないとノリが悪いのと同じことです。
「地下駐車場で車を見たら無数の小キズだらけだったけど・・」
太陽の下や、地下駐車場の電気の下で塗装面を良く見ると、塗装表面の小傷が見やすいですよね。
小傷の原因のほとんどは、研磨機(ポリッシャー)傷と洗車傷でしょう。施工直後はきれいで、ツヤツヤだったのに。数日後に小傷が塗装面に浮き上げり、「あれ?」と思うことがあります。
原因の一つは、コーティング施工時に油性コンパウンドや樹脂系のコーティング剤で傷を埋めたからです。
塗装面の小傷は通常、研磨機(ポリッシャー)を使って消すことができます。コンパウンドを使い、塗装に合ったバフ(研磨機の先に取り付ける円盤状のもの)を使って磨いていきます。その時、油分の多いコンパウンドを使うと、小傷の中にコンパウンドの油分等の成分が入り込み、肉眼で見えにくくする作用があるのです。
小傷に入り込んで見えなくしている成分が油分ですので、洗車や紫外線などで油分が無くなり、傷が浮き出てくるのです。
研磨傷に関しては、バフ傷とかオーロラ傷と言われているもので、施工経験が少ない施工者が研磨機を使うと良くある光景となります。
施工経験豊富な施工者ですと、使用する機材と力加減、研磨機の動かし方などを複合的に調整してバフ目が付かない研磨作業をすることが可能です。
こればかりは、施工経験が豊富で、考えなら施工している人に施工してもらうしかありません。
洗車傷に関しては、力を入れずにやさしく洗うことを心がけて、使用するスポンジやウエスを傷の付きにくいものを選択することである程度軽減されます。
スポンジはホイール用とボディー用に分け、ウエスは吸水力のあるマイクロファイバークロスがおすすめです。水をたっぷり使い、摩擦係数を下げるためのシャンプーを使用しながら洗車するのが良いでしょう。
汚れが落ちないからと言ってゴシゴシと強く擦ってはダメです。
「ルーフモールの色が剥がれてるんですけど・・」
新しい車ではあまり見かけませんが、経年車で、屋根の無い駐車場に止めている車に見られる傾向です。紫外線により、塗装が劣化し剥離しやすくなっている場合があります。
研磨機を使用する時に、ドアやボンネットのエッジ部分が削れてしまうのを防ぐためにマスキングテープを貼って保護します。その他、樹脂部分やガラス部分にもマスキングをします。
ルーフモール(ステーションワゴンなどのルーフについているモール)も研磨機が当たって色が剥げたり、傷が入ってしまうのを防ぐためにマスキングテープを貼ります。
古い車の場合、マスキングテープの粘着力でモールの塗装が剥げたりすることがあります。
ルーフモールのほかにも、ドアハンドルや、ボンネットエンブレムも注意が必要です。
経験の浅い施工者は、剥がれる認識が無いのでしっかりマスキングテープを貼って作業をしてしまいます。結果、残念なことになってしまうのです。
マスキングの手間を省く施工者は論外ですが、やはり経験が豊富で、考えながら施工する者に施工をお願いしたいですね。
「ゴムの隙間に白いものがこびりついているよ」
この白いものの正体はコンパウンドです。研磨した後の洗浄が甘く、取り除けなかったものになります。ボンネットやドアがしっかり研磨できていても、コンパウンドが残っていたらすべてが台無しです。
施工する側にしてみれば、ほんのちょっとの見逃しですべてを否定されてしまうので酷な話ですが、そこはプロに徹して見落としのないようにしなければなりません。
これは施工経験の有無に関係するはなしではなく、施工者の感性の問題です。丁寧な作業をしている技術者やお店にお願いするのがいいですね。
まとめ
せっかくコーティング施工したのに、不満やトラブルが生じてしまうのは非常に残念なことです。そのようなトラブルに合わないためにもしっかりとしたコーティング施工店や、施工技術者を選択する必要があります。
ディーラー、ガソリンスタンド、コーティング専門店でコーティングをお願いする際には、不満やトラブルが起きる可能性を極力ゼロにしたうえでお願いしていきましょう。
お店選び、お願いする窓口選びは次の項目を意識して判断すればいいと思います。
・考えながら施工するお店
・コーティングのメンテナンスをしっかり説明する施工店
そして、何よりも愛車のオーナーの日ごろのお手入れが重要となります。
オーナーと施工店が一緒に愛車を綺麗にするのが理想形です。
コーティング施工店について思うこと
「新車以上の輝き」、「鏡面仕上げ」のような謳い文句を聞くことが多いですが、塗装のことを考えると限りある塗装を削りすぎるのは良いとは言えませんし、施工者の自己満足に対価を支払うのも本来の目的からは外れます。
塗装の内、磨いてもOKな範囲は塗装表面のクリア層だけです。ほんのわずかな厚みの塗装しか磨くことしかできません。
「小傷を完全消去」するために磨き過ぎるのも考えものです。
最近気になっていることで、「コーティング後のメンテナンス」なんですが、多くの施工店が有料で且つ、研磨してコーティング剤を塗布している場面を見かけます。有料はともかく、研磨してメンテナンスすることに多少なりとも疑問を感じます。
研磨することで塗膜は削られ、「〇年効果持続するコーティング剤」は削られてしまっているのではないか、と思うのです。
確かに、部分的に研磨することは否定しません。あらゆるケミカルで落ちない汚れは、削ることで解決できる場合が多いのでわかります。
必要以上に塗装を削り、塗装寿命を減らすのが嫌なだけです。
弊店は、「定期メンテナンス無料」を掲げております。一回のコーティング施工で綺麗にして終わり、という考え方ではありません。
コーティングはお手入れしてあげるだけで寿命は延びますし、「〇年効果持続!ただし定期メンテナンスしないとダメです」という結局のところ、「一回施工して綺麗だからいいでしょ、あとは有料です」と言うように聞こえる告知は好きではありません。
やはり我々は、“〇年間の綺麗を販売したい”という思いがありますので、本来有料でお引き受けしたかったメンテナンスを無料にして、お手数はお掛けしてしまいますが(メンテンナスの為にご入庫いただくことにはなりますが)「綺麗な期間」をご購入いただきたいと思っております。
最後は弊店の宣伝みたいになってしまいましたが、いろいろ比較して疲弊するよりは、弊店にご相談いただくのが宜しいかと思いまして、ご案内させていただきました。