艶消し塗装・マット塗装の汚れが落ちない

Contents [hide]
艶消し塗装・マット塗装の汚れが落ちない
横浜市のマット塗装のメルセデスベンツG63AMGが入庫致しました。
「シミや汚れが落ちないんです。洗車してもダメで、、」
弊店はマッド塗装のお車を多く施工しておりますので、このようなご依頼も多くございます。
限定車や輸入車で多く見かける「マット塗装」「艶消し塗装」。
他とは違う独特のオーラがありますし、高級感漂う素敵なお色ですね。
ところが、このマット塗装、お手入れが難しく、シミや汚れを固着させてしまうと取り返しのつかないことになってしまいます。
今回「マット塗装専用コーティング」の施工で入庫しましたメルセデスベンツG63AMGも洗車ではどうにもならず、困り果てて弊店にご相談いただいたお車になります。
・マット塗装専用コーティング
・ホイールコーティング
イエローオリーブマットのG63AMG
今回ご入庫したメルセデスベンツG63AMGは35周年記念のアニバーサリーエディションの限定車になります。
お色はイエローオリーブマットがメインで、フェンダー等にはマグノナイトブラックの全身がマット塗装のお車になります。
お困りのマット塗装のコンディションは・・
オーナーが「シミや汚れが落ちないんです。洗車してもダメで、、」とおっしゃっておりましたが果たしてどんなコンディションなのでしょうか。
ご自宅にお伺いするまでかなりドキドキしました。正直、弊店でも手に負えないマット塗装のコンディションが存在するのも事実ですし、実車を拝見するまでは油断できません。
《施工前のG63AMG》
ボンネット右のウインカー周り
ヘッドライトの上にシミなのか傷なのか、色の薄い所があります。
フロントグリル周辺。水アカ、シミ、汚れのオンパレード。
スペアタイヤカバーのシミ、水アカ。
全体的に塗装がカサカサで、濡れたウエスでもびくともしない汚れやシミのオンパレード。
正直、「これはマズいな」と思いました。
特にフロント周りは重症で、塗装に食い込んでいる汚れが目立ちます。
経年の積み重なったシミや汚れは、研磨できるお車でしたら何とかなりますが、研磨できないマット塗装の場合はかなり至難の業になります。
お受けしたからにはオーナーの笑顔の為に真剣勝負で挑みます!!
ところでマット塗装って何?
マット塗装は通常の塗装とは異なり、あえてツヤが出ないように、塗装表面を凹凸させている塗装になります。
深みのあるぼんやりとした光の反射で、独特の存在感を放ちます。
限定車や、高級輸入車、スーパーカーと言われる名車にも導入されている塗装になります。
車のボディの塗装だけでなく、アルミホイールや窓枠モールやフロントグリルの塗装にも使われることが多くなりました。
そんなマット塗装ですが、いざ手にしてみると格好いいだけではない悩みに直面することとなります。
それは所有しているオーナーが切実に感じる悩みになります。
どんなことなのでしょうか?
マット塗装の車を所有する方に、あるいはこれから所有しようと思っている方に読んでいただきたい話になります。
カッコいいけどマット塗装って大変
人気のマット塗装ですが、マット塗装の車に乗るオーナーは乗り越えなければならない壁が一つだけあります。所有した方が切実に感じる悩みになります。
それは「汚れがつきやすく、しかも落としにくい」ところ。
マット塗装は、塗装表面がザラザラしていて、凹凸があるのでどうしても汚れが詰まりやすい。大気中の砂埃や、大気中の排気ガスの塵などが凹凸の目の中に入り込んで取りにくいんですね。
しかも、手垢(油分)もつきやすく、ボンネットやドアを触ると指の跡がしっかり残ってしまいます。マット塗装の車のオーナーは、マメに洗車ができる人でないと中々厳しい部分があります。
保管場所も屋根付き保管場所が望ましいでしょう。
マット塗装についてしまったシミや汚れはどうするの?
一般的な車の塗装であれば簡単に解決できそうな問題も、マット塗装ではなかなか上手くはいきません。
「乾いた雑巾で拭いたら塗装に擦り傷がついちゃった」
このような場合、一般的な塗装ですと、コンパウンド(研磨剤)を使って簡単に傷を落とすことができます。
塗装表面についた軽い水アカは、通常の洗車で落とすこともできますし、傷や汚れの目立つ場合は、コンパウンドを使って簡単に落とすことができます。
ドアハンドルの爪によるひっかき傷や、洗車で落とせなかった水アカなどはクロスにコンパウンドを付けてやさしく研磨するだけでアッと言う間に消すことができます。
ところが、マット塗装の場合はそうはいきません。
強い力で塗装面を擦って汚れを落とそうとすると、その部分だけ艶がでてしまい、塗装面にムラができてしまいます。研磨により、塗装表演の凹凸が消えてマット感が無くなり、艶が出てしまうのです。
コンパウンドを使ったところだけ普通の塗装のようにツヤツヤになってしまいますのであの柔らかな薄っすらとしたやさしい輝きが無くなってしまうのです。
一度、コンパウンドで磨いてしまった場合はリカバリーできませんので、くれぐれも気を付けてください。
今回のマット塗装のG63AMGの汚れは取れたの?取れなかったの?
話を戻しますが、今回のメルセデスベンツG63AMGは施工後どのようになったのでしょうか。特にボンネット周りの汚れがひどく、再ペイントしなければ改善しないようなコンディションでしたが果たして綺麗になったのでしょうか?
正直、マット塗装に付着してしまった汚れやシミは、除去できる場合とそうで無い場合があります!
残念ながら、“取れない場合が多い”のも事実です。
経験上、塗装が生きていて(塗装が傷んでいない)、塗装表面に載っている汚れやシミでしたら何とか除去することができますが、塗装自体が傷んでいて、塗装に浸透、固着してしまっている汚れやシミは、我々の力を全力で発揮しても落とせない場合があるのです。
マット塗装に限らず、紫外線や経年による劣化により、車の塗装は、退色していきます。
塗装の粒子が新車の内は密度が高く、粒子同士がくっついていますが、紫外線や経年により、だんだんと粒子同士に隙間ができて、退色してしまうのです。
粒子同士がスカスカになると、その隙間に水分、汚れ、油分などが浸透し塗装の中に入り込んでしまったようになってしまいます。
我々の力が及ぶ部分は、塗装の表面の数ミクロンまで。いわゆる塗装のクリア層部分でしか勝負できません。深いキズが消えないのも、塗装表面のクリア層を超えているから。
薄いキズであればクリア層の中で留まっているので、我々の力で何とか解決できます。
マット塗装のコーティング施工を得意としている弊店でも、取れる汚れやシミ、取れない汚れやシミがあるのをどうかご理解ください。
35周年アニバーサリーエディションG63AMGのシミ・汚れは?
さてさて、話が逸れてばかりでございますが、あの目立つシミや汚れはある程度目立たなくすることができました。
マット塗装についてしまった汚れやシミは、様々なケミカル(化学的につくられた液剤)を駆使して除去していくのですが、今回のシミはかなり手強く、いつものやり方では、びくともしませんでした。
完全にシミや汚れが除去できて、、とはいきませんでしたが、お預かりする前のコンディションからはかなり改善できたと思います。
施工前と施工後の比較
《施工後》
《施工後》
《施工後》
《施工後》
《施工後》
《施工後》
《施工後》
《施工後》
《施工後》
施工完了!
本来、もう少し艶が引けた状況を目指したかったのですが、今回のお車は塗装が完全にカサカサの状態でしたので、やむを得ず多少艶感の出る仕上げとなりました。
光が強く当たっている箇所に、シミがついています。このシミは落ちないシミになります。
マット塗装において、落ちるシミと落ちないシミが存在するのも事実です。弊店のケミカルでサッと消えてしまうシミ・汚れと、ケミカルに反応しないシミ・汚れです。
落ちないシミの簡単な見分け方は、よく見るとツヤのあるような、油分を含んだようなシミになります。残念ながら、この場合は深追いせずに諦めなければなりません。
ブラックマットカラーの専用アルミホイール。ホイールコーティングを施工しました。
助手席フロントドアの開けたところ。イルミネーションステップカバー。
作業完了しました。
最終チェックをしまして、積み込み完了。お客様宅に向かいます。
完成後のお車をご覧になられて、
「綺麗になったね!大事にするよ」
と嬉しいお言葉を頂戴しました。その一言と笑顔が励みになります。本当にありがとうございました!
マット塗装を綺麗に維持するために
一般的にマット塗装のお車を所有されている方にお伝えしておきたいことがございます。除去できない汚れやシミに直面することを我々も避けたいので、ご協力お願いします。
汚れが固着する前にマメに洗車
汚れがつきやすいのであればマメに洗車して汚れを固着させないようにすることが大切です。
ここでご注意いただきたいのが、洗車した後の拭き取り。
純水のような不純物質を含まない水で洗車するなら良いですが、一般的に洗車は水道水で洗車していますよね。
水道水は、透明で、飲んでも安心なキレイな水ですが、車にとってはちょっとだけ悪影響を与えてしまう厄介な水なのです。
水道水には、カルキやミネラル成分などが含まれています。そのカルキやミネラル成分は、水分が乾燥することで、塗装表面に残され、シミとなって塗装表面にくっついてしまいます。夏場の熱い時に洗車はダメ!っていうのも、洗車して拭き上げる前に、乾燥してしまうからなのです。
塗装表面に残されたシミは、付いて間もない状態であれば簡単に除去できる場合がほとんどですが、時間が経過することにより、シミが頑固な汚れとなって固着いてしまいます。
こうなったらコンパウンドで除去するしかありません。ただし!マット塗装はコンパウンドが使えません。頑固なシミにならないようにする手間が必要ということです。
マメに洗車、そしてマメな拭き上げ。お願いします。
洗車で落ちない汚れは無理に擦らない
マット塗装は、汚れが付きやすくて、落としにくく、コンパウンドが使えない特徴があります。ですので、汚れを見つけると、つい指で擦ったり、布で擦ったりしてしまいますが、
ここは、ぐっとこらえて、擦らない勇気が必要です。
なぜなら、強く擦ることで、塗装表面の凹凸が滑らかになってしまい、強く擦った跡が残ってしまうのです。所々に指で強く擦った跡が残ってしまうのは避けたいですよね。
このようなときは一回で汚れを落とそうとするのではなく、汚れに合わせたケミカルで対処するしかありません。
ケミカルに関しては、ある程度知識が必要となりますので、ご自身でやる場合は注意が必要です。弊社のような専門店にご相談いただき、対処したほうが安全ですね。
マット塗装にはコーティングするのがおススメ
マット塗装は、汚れが付きやすく落としにくい塗装ですので、汚さないことが一番ですが、
ふだん車を使っている以上はなかなか難しいので、予めコーティングしておくことをおすすめします。
コーティングすることで、塗装は保護され、汚れがつきにくく、落としやすくなります。スッピンの塗装で汚れに立ち向かうよりは、コーティングという犠牲膜で覆われた塗装で戦う方が断然有利です。
マット塗装にはマット塗装専用のコーティング剤がおススメです。
マット塗装専用コーティング、仕上がりの正解は?
マット塗装にコーティングをすると言っても、果たしてコーティングしたあとの塗装面の正解はどのような状況のことを言うのでしょうか。
挙げてみました。
・シミが除去され、マット感が強調された塗装
・色合いに深みが出る
・ムラのないコーティング
など
このような状態をゴールにして施工するのがマット塗装のコーティング施工になると考えています。
コンパウンドが使えないのであれば、汚れの種類に合わせたケミカルを使って、塗装下地をつくります。
艶が出てしまうと折角のマット塗装が台無しになりますので、コーティング剤の選択は重要です。なかなかイメージできないと思いますが、例えばワックスなどの油分の強いもので施工するとツヤも出てしまいますし、恐らく大変なことになってしまいます。(くれぐれも試さないようにしてください)
難しいマット塗装のコーティングは、コーティング専門店にお願いすするがいいと思います。ただ、難しいコーティングですので、コーティング専門店でも断られてしまうこともあるようですので、快く受けてくれる専門店(マット塗装に自信のある専門店)にお願いしましょう。
コーティングしていても油断は禁物
マット塗装に限らず、普通の塗装の車にも言えるのですが、コーティングをしたからと言ってノーメンテナンスではありません。コーティングの上にも普通に汚れがつきますし、放置することで汚れが固着してします。
マット塗装であればなおさら洗車頻度を多少上げてお手入れすることが望ましいです。凹凸の塗装表面に入り込む汚れが多い為、マメに洗車して汚れを落としてあげる必要があるのです。でも、コーティングしておけば汚れも落としやすく、洗車もラクになるでしょう。
まとめ
マット塗装は高級感も感じられますし、存在感も迫力もあります。これからますますマット塗装の車が増えると思いますが、そんなにビビらなくても大丈夫です。
手入れがしにくく、コーティングが難しい塗装ですが、だからこそ価値があると思いますし、しっかりメンテナンスすることで、他の車との差別化ができます。
マット塗装にはマメな洗車と汚れに合わせたケミカルを使用することで塗装表面を綺麗にすることができます。汚れに無防備な塗装だけの状態ではなく、予めコーティングをして汚れをつきにくくし、洗車をしやすくしておきましょう。
そうすることでマット塗装の良さを長期間楽しむことができます。
弊店は、マット塗装専用のコーティングを施工します。そして、1年ごとの施工をおススメしております。お車の綺麗に関するお問い合わせはブランズまでお問い合わせください。
マット塗装のコーティングには自信があります。